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counseling times

カウンセリングタイムズ

愛と言う字を知らない年寄りの一生は全部愛だった。

 

『 愛と言う

  字を知らない

  年寄りの 

  一生は 

  全部愛だった   』 

 

これは八十八歳で、五行歌という詩を始めて、九十二歳で亡くなられた佐々木祈美さんの歌集のタイトルであり、彼女の代表作です。

 

佐々木祈美さんは、大正1年生まれで、

この歌は彼女の母と祖母を想って読んだ歌です。

 

今みたいに物や食料が豊富でなかった時代。

戦争も経験して、まともに学校教育を受けれなかったのかもしれません。

この詩を読む度に、彼女の人生に想いを馳せずにはいられません。

 

私たちは、「親に理解されなかった」「愛されなかった」と思うときがあります。

それは事実かもしれませんし、誤解かもしれません。

その当時は知ることが出来なかった、受け入れること、受け取ることが出来なかったのかもしれません。

 

佐々木祈美さんの歌を読む時と、不思議な暖かさを覚えます。

彼女は、生涯を通して女性であり、母であり、愛の人でした。

 

私たちは、マザーテレサになれない、ガンジーのようになれないと思うかもしれません。しかし、佐々木祈美さん彼女の想いは、大きな愛と形容するものに通じると思っています。

 

私たちも、誰かを愛する強い力を、誰かを許せる強い優しさをもつことができるのかもしれません。

彼女の歌を最後にいくつか紹介します。

 

 

「無力な私が

 戦乱を

 くぐりぬけて

 しらたまのような

 心を失った」

 

「無償の愛や 

 挫折を

 くり返し

 すべてを許してきた

 せつなかった」

 

「老齢になれば

 こどものときに

 親から

 愛されたように

 愛の心でいっぱい」

 

「妙なことに気がついた

 まぐわいを忘れても

 体と想いが一致すると

 芯が熱くなって

 女になっている」 

 

「清であれ

 濁であれ

 身をどっぷりと 

 つかるほどの

 女になってみたかった」

 

「孤独でも

 心に対象が

 あれば

 生きて

 ゆける」

 

「さびしいときは

 淋しがるがよい

 運命が 

 心を

 そだててくれる」

 

「老犬の臨終を

 一晩抱いていた

 不登校の子

 石のような心に

 水がしみこむ」

 

「つめたい小石を

 にぎっていたら

 ぬくとうなった

 愛のない子を

 抱きしめたい」 

 

「必要な愛は

 痛む心を

 つつんであげる

 ことだと

 信じて生きた」

 

「星くずの

 ような

 そばの花

 夜ならば

 銀河が落ちたよう」

 

彼女のように、愛の目線で世界を見ることが出来たらなと、日々強く思います。