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カウンセリングタイムズ

『恐れ』を相手を理解するために使う 〜『愛とは、恐れを手ばなすこと』から〜

 

 

繰り返し読む好きな本の一つに、

ジャンポルスキーの『愛とは、恐れを手ばなすこと』があります。

 

題名そのものが本の内容でもあるので細かい説明は不要だと思いますが、作中の言葉を借りるのであれば『ジタバタ抵抗しながら、無理やり引きずられていく以外にも、人生を送る方法について書かれています。

 

愛とは、怖れを手ばなすこと (サンマーク文庫 E- 45)

 

 

 

許すことは、過去を手放すこと、

愛とは、恐れを手ばなすこと、

 

たった150ページほどの文章の中に、いつまでも繰り返し学べる内容が詰まっています。僕はこの本の中の「相手も恐れていることを知る」について書かれている章に一番感動を覚えました。

 

 

自分が傷つくかもしれないという恐れから、相手を愛せない。

相手もまた、傷つくことを恐れて自分を攻撃してくるのかもしれない。

傷ついた人も、傷つけた人も、同じ恐れという共通の感情を持っているということです。

 

 

ある時、精神病棟の患者さんが釘が何本も刺さった木片を片手に突然大声を出しながら暴れだしました。ジャンポルスキーは、医師として駆けつけますが、その状況にどうしたらいいか困惑します。

まぁ普通はそうですよね、しかもこの患者さんは身長190cm,体重130kgの巨漢だったそうです。

しかし、ジャンポルスキーは大声でこう叫びます。

 

『私は医者のジャンポルスキーだ。部屋に入って君の力になりたいが、怖いんだよ。怪我をさせられるんじゃないかなと思うと怖いし、君がけがをするんじゃないかと思うと怖い。もしかしてきみも怖いんじゃないかなと思っているんだが、どうだろう』

 

すると男性は意味不明な叫びをやめて、こう言います。

『あんたの言うとおりだよ。俺も怖いんだ』

 

 

 

私たちは自分が傷ついた過去の経験から、相手を遠ざけてしまうことがあります。

「親密な仲にならない」「心を開かない」「うまく笑えない」「感情を出せない」「頼ることができない」そうやって相手と自分の距離を作ってしまいます。

 

しかし、それと同じように、

相手も恐れから人を傷つけるという方法で、人と距離を置こうとしているのです。

 

 

でも、理解しあうために、距離を取り戻すキーとして、

お互いが感じている「恐れ」それを伝え合うこと、知ることが必要なのかもしれません。

 

 

あなたを傷つけた相手を理解しようとすることは、とてもしんどいことかもしれません。しかし、それと同時にあなたは、自分が持っている「恐れ」のしんどさも知っているはずです。

 

ならば、最初からムカつく相手にはできないかもしれませんが、大切な誰かのために、理解し合えるためのキーとして「恐れ」を利用してみてはどうでしょうか?