相手の状態をよく見て、するべきことを行うこと
『啐啄同時』という言葉があります。
『啐』はヒナが卵の殻を内側からつつくこと。
『啄』は親鳥が卵の殻を外側からつつくこと。
ヒナは自分が卵の殻を破り、外に出てくるタイミングになると自分の嘴で殻をつつき破こうとします。
親鳥はそれを外側から感じ取り、子供が外に出てくるの助けるように外側から殻を破くのを手伝ってあげます。
その両者の行いのタイミングが合って初めてヒナは無事に生まれてこれます。
この言葉は教育の現場や親子の関係で使われることが多いですが、
恋愛や人との信頼関係においても重要ではないでしょうか?
受け取る側と与える側。
相手と自分。
愛する側と愛される側。
そのタイミングが合っていないのに、無理に相手に与えようとしたり、動かそうとしたり、また愛されようとするのは、自分のことしか見ていないということかもしれません。
曹洞宗徳雄山建康功寺住職の桝野俊明さんはこう言ってます。
『相手の状態をよく見て、するべきことを行うこと
お互いのタイミングがピタリ合うと、物事は変化し、新しいものが生まれます。
どちらかが強すぎたり、早すぎるとお互いを傷付けてしまいますが、
タイミングが合えばスムーズに物事は進んで行きます 』
学校に行けなくなった子供
全然振り向いてくれない彼
どうにかしたいと自分の気持ちの焦りから行動してしまうと、
『お互いのタイミング』は合いません。
自分の不安や焦りの中に入るのではなく、
相手がどんな気持ちで、どんな状況にいるのか見てあげること。
それがお互いのタイミングで、
お互いの進むべき方向へと進める方法かもしれませんね。